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すみだデニム誕生とともに描かれた未来への展望[すみだモダン×スタイルストア]

2022年03月16日更新


「すみだデニム」と名付けられたカットソーパンツは、株式会社Creatorsが試行錯誤の末に生み出した一品です。墨田区の地場産業でもあるメリヤス素材を使用したこちら。時間をかけてゆっくりと編み立てたメリヤスならではの柔らかいパンツは、効率重視の量産ものとは全くの別物です。今回は、墨田の地だからこそ生まれたこのパンツを手掛けた株式会社Creatorsの代表、藪本さんに誕生の経緯をお聞きしました。

すみだデニムの始まりはダンサーからの依頼だった

ーそもそも、すみだデニムがすみだモダンの認証を受けたポイントについて教えていただけますか。


藪本さん:実は墨田区はメリヤス(編物)の名産地として知られています。そんな地場産業の素材を使用してできたのがスウェット素材のデニム風パンツ「すみだデニム」です。開発に当たっては、墨田区に拠点を持つ百瀬繊維株式会社にも協力をいただきました。そんな墨田区の会社さんと一緒に作り上げたからこそ、形にできたのがすみだデニムでもあります。

ー開発経緯についてぜひお聞きしたいです。スウェット素材のデニム風パンツの開発を決めた理由は何だったのでしょうか。

藪本さん:開発のきっかけとなったのは、とあるダンサーさんからの依頼でした。踊りやすくてスタイリッシュなパンツが欲しいというご相談を受けたのです。開発当時は、コロナ前。新しいことに挑戦する余力もあった時期だったため新商品の開発に踏み出すことにしました。

まず動きやすい素材であればスウェットだと思い、試作をしたのですが、スウェットには洗濯すると縮む、伸びやすいといった課題がありました。そして水に強い素材にするためにはどうしたらいいのかと考えた際に、思いついたのがメリヤスの撥水加工でした。

墨田区で生まれた連携から誕生したのがすみだデニム

ーそこでお声掛けをしたのが、百瀬繊維株式会社さんだったのですか。


藪本さん:そうです。自社だけでは撥水加工などの作業は難しいと考え、技術力や生産設備などを持つ会社を検討した際に、ご縁があったのが百瀬繊維株式会社さんでした。一緒に開発に取り組んだ結果、デニムに限りなく近い縫い方にこだわることができ、今までなかったデニムを完成させることができました。

ーなぜ、百瀬繊維株式会社さんだったのでしょうか。

百瀬繊維株式会社さんは当時、墨田区でメリヤス製品製造に特化してやっている会社として有名でした。また、福島にメイン工場をお持ちなのですが、ちょうど震災から復興し始めていた頃合いだったんです。そんな条件とタイミングが重なり、墨田区の会社が連携したことで販売が実現しました。

すみだデニムは墨田区の会社と職人が持つ技術を証明するに値する製品だと自負しています。

会社のこれからの使命は日本の技術を広めていくこと

ーすみだデニム開発で得た学びなどはありましたか。


藪本さん:日本中にレベルの高いモノづくりができる工場がたくさんあり、良い物を作れる技術を持った職人さんがいるということです。すみだデニムもそうですが、海外では真似をしようと思ってもできない物が日本にはたくさんあると気づきました。

ファストファッションが流行ったことにより、アパレル業界は一時期、安価なイメージが定着してしまいました。実際に利益を求めて、他国から安価で仕入れた服を日本で高く売っているアパレル企業もいます。Creatorsでもいかに安く作るかに力を入れていた時期があったのも事実です。

一方、ここ数年で開発背景や素材へのこだわりなどに共感できれば、例え安くなくても良いものを購入したいという人も増えてきました。その結果、新しく自社ブランドを立ち上げる会社が出てくるなど、新規性のある良質な服を作るといった流れがアパレル業界でも出てきています。

ーそういった時代の流れもある中、株式会社Creatorsでは今後どういった事業や商品開発を進められる予定なのでしょうか。

藪本さん:Creatorsではこの業界において、今後、日本の良い技術を引き出して世の中に伝えていく役割を担えたらと考えています。そして将来的には日本の技術を求める海外企業に日本の工場や職人を繋げていきたいです。

すみだデニムでの連携を日本規模で行っていく

ーすでに何か始められている具体的な取り組みなどがあれば教えてください。

藪本さん:現在は第一歩として、自社ブランド立ち上げのお手伝いをしています。自社ブランドの立ち上げにあたっては、良い技術や生産設備を持っていても、デザインなどのクリエイティブ面で苦労している会社さんが多いのが現状です。そのため、デザイン開発やブランディングのサポートからSNSでの発信などを含めたマーケティング面でのサポートをさせていただいています。良いものを売るためにはどんな工夫ができるのかというヒントやフィードバックを提供するといった所謂コンサルティング業務ですね。

ー今後はものづくりに対して幅広く関わっていく予定なのですね。

藪本さん:自分たちに足りないものは他の会社さん達を頼りつつ、自分たちが持っている知識やノウハウは提供する。お互いが持っていないものがあるならば、持っている会社や人を探してくる。複数の会社が協力しながら良いものを作っていきたいです。

「すみだデニム開発時のような連携を、今後日本国内でたくさんの会社とやっていくことができれば、たくさんの良いものを世の中に送り出すことができると思っている」と藪本さんは言います。

お互いの得意とするところを活かしながら作り上げる商品たちは、品質や価格にごまかしの無い一品になるはず。それは、今、私たちが欲しいものそのもの。一つ一つのプロジェクトが形になるのを楽しみに待ちたいという気持ちにさせられました。

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文・構成/松本佳恋

このコラムを書いた人

スタイルストア 編集室

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