みんなの愛用品

食洗機で洗える、日々の味方の漆椀

2022年12月03日更新

こんにちは、バイヤーの畠田です。

以前、キッチン道具についてアンケートを行う機会があったのですが、つかい手から多かった要望が「食洗機が使える調理道具や器が欲しい」という声。中でも毎日使う食器類は、なるべく食洗機が使えるものを選びたいもの。とは言え、汁椀は木製品のものが多く、木製のものは食洗機に入れられない……というジレンマがありました。

そんな中で出会ったのが、越前漆器の産地・福井県鯖江市の「松屋漆器店」が作る漆椀。漆器でありながらも食洗機が使える、本格派の器です。

「漆椀」のハードルを下げてくれる一品

「漆のお椀」というと、100円ショップに並ぶようなものから、百貨店に並ぶ数万円するものまで、同じような形・色のものでも価格差が大きく、選び方がわからないというイメージはありませんか?良し悪しの判断が素人目には難しく、扱いが難しい上級者向けの器という印象をお持ちの方も多いと思います。

そんな中、漆の器というものにとっつきやすくしてくれるのが、この漆椀。食洗機が使えることで、ハレの日の器というよりも、日常使いに取り入れやすい器になっています。

漆器は木地に漆を塗って仕上げるものですが、木も漆も熱に強くないため、本来食洗機には入れられません。でも、こちらは「木地を『木合』と呼ばれる木の粉と樹脂を固めたものにする」ことと、「製造過程で熱に強くなるように施した漆を使う」ことで、その制約をクリアしています。

樹脂を使っていますが、完全な木の素地に質感で劣るということはありません。木の粉の割合が多いこともあり、正直なところ、木製の漆椀と比べても素人目には判断が難しいほど。

また、木製の場合、木の塊を挽いて木地を作るので、丼ぶりのような大きな器を作ろうと思うと、それより更に大きな木が必要になり、価格も高くなってしまいます。一方、木粉+樹脂だと、形の自由が利くため大きなサイズも作りやすく、価格も抑えられて、手にとりやすくなります。

純粋な木製じゃないと本物じゃない、というご意見も聞くことがありますが、個人的には木製には木製の、そうでないものにはそうでない良さがあると考えています。本漆を使ったお椀でありながら、食洗機が使えて日常使いしやすく、価格も家族分を揃えやすい、肩肘張らずに使えるバランスが良い漆椀だなと思います。

手に持つ器だからこそ、感じられる肌触り

こちらは「洗浄機対応 入子椀 大」

我が家ではずっと薗部産業さんの銘木(めいぼく)のお椀を汁椀として愛用しています。「熱い汁物が入っていても持ちやすい」「軽くて割れにくい」という点は、木のお椀と漆椀、どちらも共通のポイントですが、漆椀を使い始めて感じたのは、手で包み込むように持った時の漆の独特のしっとり感。汁椀は、手に持って口をつけて使うものだからこそ、漆椀ならではの手触り・口当たりの心地よさをより感じます。

光沢が少し抑えられた上品な艶感で、形もシンプル。朱や黒のパキッとした色の器は、食卓に並んだ時に全体を締めてくれて、華やかにしてくれるなと思います。日々の食卓に使いやすく、年の初めを寿ぐのにもふさわしい汁椀です。

このコラムを書いた人

畠田 有香

スタイルストア バイヤー

畠田 有香

ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。

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