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インタビュー&ゲストコラム

中目黒の花屋 ex.(イクス) 田中彰さん「花や植物が好きという気持ち」後編

2016年02月26日更新

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お気に入りの花器に、
季節の草花を一輪だけ。

日々暮らす中で、ささやかでも
お花や植物がそばにあると、
ちょっと幸せな気持ちになれる
気がします。

そんな思いをもとに
お花や植物のある暮らしの一コマを
綴れたらと思い、先日から
「花一輪」コラムをはじめました。

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「こういうことをお伝えできたらなと
思っているんだよね」と話をしたところ
賛同してくださったのが、
スタイルストアでも母の日の
フラワーギフトや代官山店にてお花を
ご紹介させていただいている、
中目黒の花屋 ex.(イクス)
田中 彰(たなか あきら)さん。

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前回は、「お花のある暮らし」のことから
生い立ち、お花屋さんとして独立
するまでのこと、愛用の道具のことも
伺いました。

第二回となる今回は、
独立した後のことや
体力的にもハードな仕事を続ける中で
取り入れている健康維持法、
個人的に毎回インタビューで伺っている
影響を受けた本についてなどを
お届けします。
どうぞお付き合いください。

花屋として独立、厳しい時期も越えて

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バイヤー中井(以下中井):花屋の世界に飛び込まれて2年。独立される時の状況はどうでしたか?

田中 彰さん(以下田中さん):元手になる資金が十分ではなかったので、これだと実店舗は出せないなと思っていました。なので最初はオンラインでお花を売ろうと。WEBサイトの作り方を一から勉強して、まずは自社のWEBショップをオープンしました。

中井:そうでした!WEBショップからでしたよね。その後すぐにスタイルストアにお声掛けくださいました。

田中さん:そうそう。元々WEBで花を売ることにすごく興味があったんです。それから日々運営していく中で、やっぱりお客さんと向き合うために実店舗も必要だ、と思うようになったんですよね。WEB販売で何とか資金もできて、2013年7月8日、「菜っ葉の日」に実店舗をオープンしました。

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中目黒駅から、東横線沿いに祐天寺方面へ歩くこと約5分。「ex.(イクス)」に到着します。

中井:田中さんはやりたいことをどんどん実現されていますよね。当時から、そのスピード感と動かしていく力が何てすごい人なんだ!と思っていました。

田中さん:いやいや、でも、最初は苦難続きだったんですよ。お客さんが全く来なくて、一日誰とも喋らない日が続いたり・・・。人生で一番辛い経験をしたかもしれません。

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中井:苦しい時期が続いて、それからどうやって乗り切ってきたのですか?

田中さん:店舗とWEBを運営しながら、営業もしていました。でも花屋って営業をしようと思っても難しいんですね。美容室とかいろいろな会社に営業をしてみたりもしたんですけれど、門前払いで。全く購入には繋がりませんでした。「タダなら貰ってあげるよ」なんて言われたりもしました。

中井:ううー、想像するだけで胃のあたりがぎゅっとなる・・・。

田中さん:でもめげずに続けて、百貨店さんからノベルティのお話をいただいたり、徐々に軌道に乗り出しました。それが2014年はじめくらいことです。

スタッフを雇用できるようになって

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中井:最近ではスタッフさんも2名に増えましたよね。お一人で運営されている時から印象的だったことのひとつが、「スタッフを雇用する時は、待遇もきちんとしたい」と仰っていた点でした。

田中さん:花屋が厳しい業界というのは、身に沁みて感じています。どう厳しいかというと、例えば早朝から深夜まで立ったままだったりと体力的にきつくて、雇用条件もかなり厳しい。さらに、「花屋は素敵な仕事だからお給料は安くても仕方ないよね」みたいな、何だかそういう風潮もある。それってどうなんだろう?と個人的に疑問を抱いていました。

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でも、世の中に本当に価値のあることなら、それはちゃんと変えていきたいなと思うんです。人を雇うとしたら、待遇も含めてきちんと雇いたいと思っていて。最初は資金的にもなかなか難しかったんですが、最近ようやく社員を雇うことができるようになりました。

田中さんが大切にしていること

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中井:お一人で全て対応されていた時期を経て、スタッフさんと一緒にお店を運営されることになりました。ちなみに昨年弊社でバイヤーを募集した時、私も初めて面接する側の立場になったのですが、スタッフさんを雇用される際、田中さんが大切にされているのはどんなことでしょうか?

田中さん:何より花や植物が好きということです。スタッフの募集要項にも「花を好きなことが一番重要」だと書きました。

中井:おー、同じだ。

田中さん:好きじゃないと、心から伝えられないんですよね。人間ってすごいもので、少しでも嘘が混じっていたり気持ちが入っていないと、表に滲みでてくると思います。

中井:うんうん。あと、シンプルに「好き」という気持ちが根底に強くあると、大切な局面でふんばれる気がします。

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田中さん:フラワーアレンジメントなど、「花で表現することが好き」という人は増えていますが、「花や植物そのものが好きであること」が何より大事だと思っています。

あと、基本的なことですが、実際に自分が花のある暮らしをしていること。必ず自宅で生けるようにして、お客さまにきちんと伝える。この花は今の時期だと何日くらいもつのかとか、自然のものなので、実際にいけてみないとわからないことがたくさんあるんですよね。

ハードな仕事の中での健康維持法

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中井:市場に行くために朝4時から仕事をされて、帰りも深夜だと伺いました。でも、ずっと思っているんですけれど、田中さんいつもシャンとされてますよね。身体を健康に保つために気を付けていらっしゃることはありますか?

田中:それはもう、最近すごく体にきてますよ。で、基礎体力をつけることが大事だと思ったので、基本的に毎日自転車通勤をしています。

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tokyobike(トーキョーバイク)の自転車。谷中と中目黒にお店があります。

中井:代官山店にお越しいただいた時も、この自転車に乗っていらっしゃいましたよね。ネイビー好きとしてはたまらない色のチョイスです・・・!

田中さん:あと、30歳を超えて腰と肩が辛くなりはじめたので、人生で初めてストレッチを続けています。お風呂にもゆっくり浸かる。女子みたいですけれど(笑)。でも体の疲れが和らぐので、湯船に浸かることはとても大事にしています。

影響を受けた一冊

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中井:個人的にいつも、「つくり手さんが影響を受けた本ってどんな本だろう?」と気になっていまして、もしありましたら教えてください。

田中さん:星野道夫さんの「旅をする木」です。

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田中さんの私物です。

中井:どんな本ですか?

田中さん:星野さんは、写真家でもあり詩人でもある方です。熊を心から愛していて、なんと最期は熊に襲われて亡くなってしまうんですけれど・・・。

中井はじめスタッフ一同:えぇっ。

田中さん:そうなんです。本の中で星野さんは、「どれだけ忙しくても、北極で熊が泳いでいることを想像するだけで自分は幸せ。それを想像できるかどうかで、人の豊かさって変わるんだよ」というようなことを仰っていて、それを読んだ時にこの人はすごいなと。自分にとってこの本に書かれていることは、「幸せ」とか「豊かさ」を考える上での、ひとつの指標になっています。

中井:このインタビューの最初の方のお話でも、「大人になったら、豊かになるとか幸せになるって、結局自分がどう思うかなのかなと思って」と仰られていたこととも繋がっている気がします。今回はお時間をいただきありがとうございました!

インタビューを終えて

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今まで、経営者のつくり手さんは
年上の方が多かったのですが、
最近では同世代の方が増えて
きました。

お話を伺うたび、
よし、頑張るぞという気持ちを
おすそ分けいただいている気がします。

今後も、花一輪コラムや、
田中さんやスタッフさんに伺った
「お花をいける時の基本とコツ」を
順次お届けする予定です。
そちらもどうぞお楽しみに!

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田中 彰(たなか あきら)さんプロフィール

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BOTANIC Inc. 代表取締役。
東京・南青山の花屋での修行を経て、
BOTANICをスタート。
2013年7月、東京・中目黒に花屋
ex.(イクス)」をオープンされました。

ぜひご覧いただきたいのが、
田中さんのインスタグラム
素敵なお花や装飾がたくさんで、
見ているだけで幸せな気持ちに
なります。


第一回 花や植物が好きという気持ち
第二回 大切にしていること


このコラムを書いた人

中井 明香

スタイルストア バイヤー

中井 明香

いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。

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