バイヤーからのお便り

廃盤の危機を乗り越え販売中!動物柄ゴブラン生地の雑貨たち

2024年07月20日更新


Coquette(コケット)の数あるラインナップの中でも、ひときわ目を惹くのが、動物柄のバッグやお財布です。

デザイナーの林さんが一目ぼれをしたことで、ラインナップに仲間入りをしたこちらのシリーズ。販売開始から15年以上が経っており、いかにこの動物柄のゴブラン生地が、長く愛されているかがわかります。先日、デザイナーの林さんに改めてこの生地の魅力をお伺いしたところ、出会いから今日までの間に、幾度も廃盤の危機を乗り越えて今に至る、レアな生地なんだという事がわかりました。

このコラムでは、かわいいと愛でるだけでは足りないほどの生地の魅力と、それに魅せられたCoquetteの強い意思をお伝えしたいなと思います。

帯の産地で生まれたゴブラン生地

まず、最初にゴブランとは何?と思う方もいらっしゃると思います。ゴブランとは、平織の一種で、経糸(たていと)を見えなくして、緯糸(よこいと)だけで、様々な絵柄を表現した織物の事。規則正しく織られていて、目が詰まっているので、丈夫なのもいいところです。

ゴブラン織りの生地と聞くと、一般的に花模様を思い浮かべる方が多いと思います。私もその一人だったので、Coquetteで動物とお花の柄のこの生地を見た時は、本当に驚きました。

色とりどりの草花たちと、その間にたたずむかわいらしい動物たち。じっくりと見れば見るほど、頭の中でストーリーが浮かんで楽しくなってくる、そんな絵柄なんです。


他に見た事のない、この動物柄のゴブラン生地を作っているのは、栃木県にある一軒の機屋(はたや)さんです。栃木県は、古くから着物や帯の産地でもあります。緯糸だけで柄を生み出すという熟練の技が必要なこの生地が、織物産業が盛んな地域で生まれたものだと聞いて、妙に納得しました。


デザイナーの林さんがこの生地と出会ったのは、今から16年前のこと。一目ぼれしたその生地はわずか2mしか販売がなく、さらには「在庫限りで生産終了」という文言がついていたといいます。その生地で、少量の口金ハンドバッグを作ったのが始まりだったんです。

廃盤の危機

2mの生地で作ったハンドバッグをお店に置いてもらったところ、すぐに完売。お店側から、もう一度あの動物柄の生地でバッグを作って欲しいとリクエストが来たのだといいます。


すぐに、同じ生地を作って欲しいと機屋にお願いをしたのですが、1ブランドが欲しいという生地のメーター数は、大手メーカーと比べるとごくわずか。ゴブラン生地は、柄を生み出すのにかかる時間と手間が膨大なので、少量のオファーの為に機械をセットするのは、工場にとっては赤字になってしまうことなんです。諦めきれずに、じっくりと交渉を続けていたところ、たまたま他のメーカーからゴブラン生地のオーダーが入り、無事に生産をすることができたんです。

ただ、試練はまだまだ続きます。多くのブランドはトレンドを追いながら新作を作るので、年数が経つにつれて、ゴブラン生地を使うメーカーが減ってきたのです。いよいよ、この動物柄を求めているのは、Coquetteのみとなり、廃盤にするか否かの選択を迫られたといいます。


そこで林さんは、「自分たちがリスクをすべて抱えてもいいから、この生地でモノづくりを続ける」という判断をしました。他メーカーのオーダーのタイミングに合わせて、ようやく作ってもらっていた生地の全てを自分たちが抱えるというのは、小さなブランドにとっては相当リスクがあるもの。だからこそ、「長くこの動物柄のゴブランを愛してもらいたい」という、林さんの強い意思を感じます。

動物柄のゴブランシリーズ


これまで、当店で販売してきたのは、キュービック型のハンドバッグと口金財布の2種類でした。


そこに、新たに加わったのが、ショルダーバッグと長財布です。


動物たちの表情がとにかく愛らしいのに加え、どこか高貴な印象があるのは、この生地を作るのに、かなりの手間と時間がかかる事なんだと、学んだからかもしれません。

デザイナーの林さんが、口金財布のご愛用歴8年超えのお客様から、実際にお財布を見せてもらった際に、ほころびが少なくて驚いたといいます。毎日、何度も使うお財布で、しかも生地物ですが、8年目でもほころびはわずか。それくらい、ゴブランは丈夫な生地なので、安心してお使いいただけると思います。

林さんとお話ししていた際に、「生地も含めて、この商品を持つことでいろんな方に褒められるとたくさんの方からコメントをもらいます。例えば美容院とか、スーパーでお財布を出した時に、思いがけずレジの方から褒められたなど。お客様が褒められた後に、お財布を改めてにっこりと見つめるような、そんな光景を思い浮かべています。」と言っていたのがとても印象的でした。



着物と帯の産地で、膨大な時間をかけて、熟練の職人の手によって生み出される動物柄のゴブラン生地。それにひとめぼれをして、廃盤の危機が何度訪れても、諦めなかったCoquetteの強い意思。このシリーズの商品の背景にあるストーリーを知って、それごと気に入ってくださった方々の手元に届けばいいなと思います。

このコラムを書いた人

楠 美冴登

スタイルストア バイヤー

楠 美冴登

ショッピングユニットでバイヤーをしています。 スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。