すみだモダン×スタイルストア

社員全員が主役の会社だからこそ生まれる新商品の数々

2022年04月27日更新

フットマーク株式会社では毎年、お客様の声や社員の経験から生まれた商品を発売しています。その背景にあるのはフットマーク株式会社ならではの組織編成や、社長が大切にしている思い。75年の歴史を持つフットマーク株式会社の社長、三瓶さんに会社の歴史や商品開発に関してお伺いしました。

始まりは赤ちゃんのおむつカバーだった

ーまずはフットマーク株式会社のこれまでの会社の歴史について教えていただけますか。

三瓶さん:フットマーク株式会社は1946年に東京都墨田区で始まりました。当時は戦後のベビーブームもあり、赤ちゃん向け商品の需要があったことから、おむつカバーを販売。しかし、おむつカバーは冬にしか売れなかったため、夏の主力製品を開発しようとなりできたのが水泳帽子でした。ちょうど学校で水泳の授業が取り入れられるようになったこともあり、全国で販売されるように。水泳帽子にとどまらず、水着など水泳用品全般を販売するようになりました。

その後、高齢者向けのおむつカバーも販売してほしいといった声が近所の方から寄せられたことをきっかけに介護用品の開発にも着手。1984年には介護おむつカバーで商標を取ったことから、「介護」という言葉を生んだ会社と言われるようにもなりました。

ー様々な分野の商品開発に取り組まれてきたようですが、商品に共通することは何なのでしょうか。

三瓶さん:これまでの商品開発で得た素材への知見と技術を活かして作ることは多いです。

2002年頃からは水着の素材と介護の技術を活用した機能性インナーの販売も開始しました。高齢者向けの腰痛予防などを目的としたインナーを、着圧加工素材と組み合わせてスポーツをされる方向けに展開したのです。

またそれに加え「お客様の声」も非常に重要だと考えています。

小チーム編成で、社員の声を反映させた商品開発

ーフットマーク株式会社の大きな特徴は商品の種類の多さだと思います。現在どれくらいの商品が販売されており、毎年新商品はどのくらい出ているのでしょうか。

三瓶さん:約3000品番の商品を販売しています。その内、約1000品番は毎年入れ替わっている商品です。これはパッケージの変更などのマイナーチェンジも含むため、新商品として発売されるのは毎年100品番程度かと思います。

ー毎年100品番となると、かなりのスピードで商品開発が行われているように思いますが、どのような組織体制を取られているのですか。

三瓶さん:弊社は60人弱の会社ですが、5人ずつのチームに分かれているため部門数がかなり多いです。これは独特な組織体制かもしれません。5人にしたのは、全員が主役になってほしいという思いからです。というのも、5人以上いると会議で発言しない(できない)メンバーがやはり出てきてしまいます。5人に収めることで、意見を発言しやすい環境を実現し、スムーズな商品開発を行うことができているのです。

また、現場の判断や裁量も大事にしています。社長が判断を間違えることもあると思っているので、予算も権限も各チームに全て委譲。社員一人ひとりが自主的に社会に必要とされているものは何か、周りの身近な人が喜ぶものは何かを考えるよう促しています。

ー社員全員が経営者の意識をもって商品開発に取り組んでいるのですね。普段づかいできる着圧インナーのFOOTMARK BASEWEARも社員のアイディアから生まれたものなのでしょうか。

三瓶さん:そうです。FOOTMARK BASEWEARはスポーツインナーの開発担当者がテニスで腰を痛めてしまった際に開発中のインナーを着て正しい身体の動かし方を意識した事から、腰痛が改善した経験を元に生まれた日常用の機能インナーです。

コロナ禍で家で運動される方も増えていることから、家でのトレーニング用として、1日中着ても圧迫感のないインナーとしても、たくさんの方にご購入いただいています。

時代に合わせた、分野にとらわれない柔軟なものづくり

ー現在はどういった事業を中心に商品開発に取り組まれているのでしょうか。

三瓶さん:コロナ禍前までは水泳用品が売り上げの大半を占めていました。しかし、コロナ禍で水泳の授業が中止になり、一昨年は売り上げが大幅に下がるという初めての経験をしました。これを受けて、新しい事業の拡大を現在は積極的に行っています。 直近では新しく2つの事業部を立ち上げました。

防水加工や防虫加工の技術を活かしたキャンプ用品やアウトドア製品を扱うライフスタイル事業部とコロナ禍で需要が増えているマスクなどを扱う健康衛生事業部です。これまで培ってきた知見と技術を活かし、例えニッチであっても社会に必要とされている新しい商品をもっと展開していきたいと考えています。

ーこれからはその2つの事業に注力されるということですね。

三瓶さん:はい。引き続き、水泳用品や介護用品の販売で得た病院や学校との関係性をうまく活用しながら事業を拡大していきたいと思っています。

もちろん、既存事業でも新しい商品の開発を進めていきます。現在販売しているTabel withも、もともとは介護施設で使っていただいていたエプロンがスタートです。お客様から介護用としてではなく日常的に使いたいという声を複数いただいたことから、おしゃれに使っていただけるエプロンとしてTable withが完成しました。食事中はもちろん、歯磨き中や髪の毛を染めるときなど様々なシーンでおしゃれに使っていただけます。プレゼントに購入いただくことも多い商品です。

ー社員のアイディアやお客様からの声が商品に反映されていることがよく分かります。

三瓶さん:弊社は赤ちゃんのおむつカバーから始まりましたが、時代に合わせて柔軟に商品開発をしてきたからこそ75年間、会社として存続することができました。事業の幅も広いため、お客様からよく「何屋さんなんですか」と聞かれることもあるんです。でもそれも褒め言葉だと思っています。

これまで様々な商品を作ってきたので、販売から50年以上経った商品に関して「昔使ってました!」や「今も愛用しています!」といったお声が届くことがあります。実際に自分が開発に関わった商品が、今も使い続けられていると知れたことはとても嬉しい経験でした。そんな経験を全社員にも経験してほしいと思っています。そのために、私は社員全員が自分たちの発案で世の中に必要とされているものが作れる環境作りをこれからも大事にしていきます。

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文・構成/松本佳恋


このコラムを書いた人

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