インタビュー&ゲストコラム

SHAQUDAデザイナーインタビュー – 心に映る「けしきをみたす」

2017年03月08日更新

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品質のよい化粧筆と聞いて、
誰もが思い起こすであろう「熊野筆」。

広島の熊野地方に古くから伝わる技巧で、
熟練の職人さんたちがつくっている
日本が誇る伝統的工芸品の一つです。

そんな熊野の地で誕生した、注目の
新ブランド「SHAQUDA」(シャクダ)。

2015年にデビューするやいなや、
数々のメディアに紹介されるなど
国内外の感度の高い人たちから
支持を得ているメイクアップ&
スキンケアブラッシュブランド。

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SHAQUDAのコンセプトは
「けしきを みたす」

置いてあるだけで、ラグジュアリー
ホテルにあるような洗練された存在感
を醸し出し、
使うことで心の景色が
変わったような高揚感を得られる。

そこにあるだけで、手に取るだけで、
使う人の生活や気持ちを、よりよい
ものにしてくれます。

製造・販売元である有限会社瑞穂
さんが目指したのは、そんな世界観。
新ブラッシュブランドSHAQUDA
(シャクダ)のクリエイションを手掛けた
のが、
寺内デザインオフィスの
寺内ユミさんです。

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第一回目となる今回のテーマは、
ずばり「SHAQUDAについて」。
ブランドの世界観や人気の理由を
伺いました。

スタイリッシュながら日本らしさもさりげなく

ライター小林:SHAQUDAの筆の、
優美な佇まいにほれぼれしています。

寺内さん:ありがとうございます。
海外のホテルやヴィラを思い起こす
スタイリッシュさを、SHAQUDAの
イメージコンセプトにしています。

小林:非日常の時間の流れの中で丁寧に
自分をメンテナンスするような気分に
なれそうですね。

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寺内さん:そうですね。
そしてデザインの根底には、日本の
感性を感じ取って頂けると思います。
いかにも「ザ・ジャパン」という雰囲気には
したくなくて・・・「言われてみれば、さすが
メイドインジャパン」と思ってもらえるくらい、
さりげなく日本のエッセンスを残しました。

小林:私たち日本人にとってはスタイ
リッシュで、海外の人が見ると
日本らしさを感じる、ちょうどいい
バランスがあるように思います。

UBU(ウヴ)とSUVÉ (スーヴェ)と
いうお名前も、ほんのりと日本語っぽ
いですね。

寺内さん:メイクブラシのUBUには、
「はじめての感触、はじめてのやさしさ」
という意味が込められています。
私たち日本人が「うぶ」という言葉
から想起するイメージです。

一方、スキンケアブラシSUVÉ は、
こちらも日本語の「すべすべのお肌を
実現するアイテムであるために」との
思いから名付けました。

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SUVEのスキンケアブラシの中でも人気が高いのが、このボディブラシ。

つくりたかったのは、理想の世界観

小林:SHAQUDAというブランドが
どんなふうにして生まれたのか、
少しお聞かせいただけますか?

寺内さん:私は、今までにも、
伝統工芸品を作っておられる
メーカーさんとの仕事をいろいろと
経験してきました。そんな中で
SHAQUDAの製造元である瑞穂さん
との縁があり、彼らのビジョンに共感
したことがきっかけです。

熊野にはたくさんの筆メーカーが
ありますが、瑞穂さんは歴史と
伝統と、それに裏打ちされた技術を
お持ちです。

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産地ではモノづくりの工程が分業に
なっているところも多いのですが、
瑞穂さんは原料の仕入れから、製品
にして検品し、お客さまにお届けする
ところまで自社でやっているんですね。

さらに、早くからオリジナルの筆や
洗顔ブラシを開発されており、お店や
お客さまからの声を聞く機会もあった。
そんな中で、熊野の筆づくりの
高い技術や伝統を美しく形にすること、
のちにSUVEというシリーズとして
体現された「極上の筆でスキンケアを
する」といったなコンセプトの「元」が
あったわけですね。
その想いや考え方に共感できました。

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SHAQUDAの由来は創始者の名前「尺田」から。実はブランド名も日本語です。

私自身も女性で、「SHAQUDA」を
カタチにすることは、女性が使うもの、
女性の美しさを引き出すツールを
カタチにする仕事でもありましたから、
より思い入れを持って取り組んだ
プロジェクトでしたね。

熟練の技術がうんだ、見惚れるフォルム

小林:なかでも特徴的なのは、
このUBUのメイクブラシだと
思います。ほかのメイクブラシと
一線を画すルックスですよね。

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指先にも木のぬくもりが伝わる持ち心地。ウォールナットをくるみオイルで仕上げた、使い込むほどに味わいが増すメイクブラシです。

寺内さん:一般的なメイクブラシは
ブラシの部分を平らに成型する
ために、金属のパーツが使われて
いるのですが、UBUは金属を使わず
にブラシを作っています。書道の「筆」
と同じ、伝統的な作り方ですね。
この方が見た目に美しいのは
もちろん、
すべてのパーツが天然素材なので
使い終わった後、自然に還ることも
可能になりました。

小林:金属がないだけで、
イメージががらりと変わります。
確かに書道の筆はこういうルックス
ですね。こういった製法もあるのに、
一般的なメイクブラシでは、当たり前
のように金属のパーツが使われて
いるのはなぜでしょうか?

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寺内さん:そのほうがつくりやす
いからなんです。金属を使わずに
穂先を楕円に仕上げるのは、細かな
配慮と高い技術がなければできない
こと。この部分に関しては、筆先だけ
でなく、木材をつくる技術もかなり高度
なものが必要ですので、木工を
手掛けてくださった職人さんの腕も
確かだったのだと思っています。

木の加工を得意とする職人さんが
身近にいてくれたので、そういうことも
間接的にこのブラシの美しさを支えて
くれていますね。

美しい所作が生まれるわけ

小林:SHAQUDAの大切なコンセプトの
一つである「使う人の所作を美しく」と
いうことには、どんな思いを込められた
のでしょうか。

寺内さん:例えば、この洗顔ブラシだと
茶道の「茶筅」を、泡立てるための器は
「抹茶椀」をイメージしています。
お抹茶を立てるように泡立てると思うと、
さらに気持ちがシャキっとしませんか。

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小林:確かに・・・!

寺内さん:そして、ブラシは斜めに
傾いて立っているので、横からすっと
手を伸ばす所作が自然に生まれます。

小林:納得です。デザインひとつで
こんなにも手の運び方や気持ちが
変わるんですね。

寺内さん:見ための美しさだけでなく、
使う人の「心に映る景色」が豊かに
なるものであるブランドに。
そういった想いを「けしきを みたす」
というコンセプトで体現しました。

小林:込められた想い、とても素敵
ですね。そして熊野筆ならではの
使い心地のよさや環境への配慮も
とても魅力的ですので、次回は
そのあたりについて教えてください。

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UBUのメイクブラシは書筆をイメージ。すべて1尺です(SHAQUDAだけに!)。一般的なメイクブラシよりも長めですが、そのほうが所作がエレガントになるのだそう。

期間限定ポップアップストアを展開中

現在、スタイルストアの代官山店、
&STYLE STORE
SHAQUDAの
ポップアップストアを展開中です。

ぜひ店頭で手に取って、所作が美しく
なる感覚を体験してみてはいかがでしょう。

寺内さんへのインタビューは次回、
ブラッシングスキンケアを提唱する
SUVÉ 」のお話へと移ります。
こちらもどうぞお楽しみに。