インタビュー&ゲストコラム
【つくり手を訪ねて】真に「ベストバランス」な靴作り― Verb Creation 中川さん 前編
新ブランドとして、今年スタイルストアに
初登場したシューズブランド
「Creation.(クリエーション)」。
発売してすぐさま人気モデルと
なった「ゴアパンプス」や「カンフー
シューズ」など、シンプルなデザインの
中に、どこかモードな雰囲気を感じさせ
る靴作りを得意とするブランドです。
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足を包み込むような履き心地が新鮮!なカンフーシューズ。
「Creation.」をはじめ複数の
自社ブランドを率いるのは、
株式会社Verb Creation の中川社長。
いわゆる靴メーカーが作る「靴」とは
一味違うものづくりの真髄にせまるべく、
浅草にある彼らの工房を訪ねました。
渡英を経て25歳で起業、がむしゃらに靴を作った20代の頃
「13年前、25歳の時に台東区で
ヴァーブクリエーションの前進となる
『ヴァーブ』を起業しました。
当時は二束のわらじで別の仕事も
しながら、休日や夜に寝る間も惜しんで
靴作り。もともと自分はUKロックや
ファッションが好きだった関係で、
高校卒業後に渡英したのです。
サビルロウで服作り(テーラリング)
をやるつもりが、偶然見た靴作りの
光景に魅せられてしまって・・・」
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株式会社Verb Creation の中川宏明社長。
靴作りのメッカ、浅草に工房を構える
ヴァーブクリエーション。
その生い立ちをにこやかに語るのは、
社長の中川宏明さんです。
イギリスと日本で靴作りを学び、
25歳で個人起業。革小物メーカーで
働く傍ら、靴メーカーとして事業を
スタートさせ、ほどなく著名なファッション
ブランドからの仕事も受けるように
なります。
「ファッションも靴も好きだったし
若かったから、今思うとおかしいぐらい
のパワーがありましたね。
休みがなくても仕事を頂けることが
嬉しかったし『できません』とは絶対
言わなかった(笑)
25歳で起業したとき、30歳までに
ちゃんとした会社にしようと決めて、
30歳になる前日、株式会社
Verb Creationを作りました」
(中川社長)
目指したのは、素材、仕立て、デザインのベストバランス
彼らの靴は、職人のセンスを
感じさせるデザイン性に加え、
国産にして手頃な価格であることも
大きな魅力。
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スニーカーよりキレイめ。でも安定感抜群の履き心地で、走ることもできる「ゴアパンプス」
自分達で材料を仕入れ、靴を作り、
販売する。その積み重ねの中で
「本当にいい頃合の靴」とは何か、
どうしたら自分達のもの作りのなかで
それが実現できるか?
ヴァーブクリエーションが長く
テーマとしてきたことの、一つの答え
ともいえるブランドが、2015年に
デビューした「Creation.」です。
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Creation.の最新作はレザースニーカー。ロゴもマークもない潔さが好評。
「自分が最初学んだのが、一足
何十万円~というオーダー靴の世界。
贅沢な条件で存分に靴を作れるかも
しれないけど、「お金持ちのための靴」
という感じで、やっぱりリアルではない。
どうせならある程度の人数の人たちが
喜んでくれるもの作りをしたかった。
すごくいい靴だけど重いとか、脚が
きれいに見えるけど履いていて痛い、
とかよくあるでしょう?
真に良い頃合の靴って、実はなかなか
レアなんですよ。」(中川社長)
ヴァーブクリエーション中川さんへの
インタビューは後編へと続きます。
インタビューこぼれ話【1】 影響を受けた映画
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さらば青春の光 フィル・ダニエルズ主演, フランク・ロッダム 監督の英国映画
影響を受けた本や映画について尋ねると、
イギリスで靴づくりに目ざめた、
中川さんらしい答えが返ってきました。
「中学生の頃は音楽の影響もあり、
ファッション的にモッズにはまりました。
『さらば青春の光』という、ザ・フーの
アルバムを元に作られた映画に感銘を
受け、この作品を初めてビデオで
買いました。その影響で、中学2年の時に
初めて上野に軍コートを買いに行った
のを覚えています」(中川さん)
後編のこぼれ話では、中川さん
お気に入りの味、そして多忙な毎日を
支える健康法についてお届けします。
本編とあわせ、こちらもお楽しみに。
【つくり手を訪ねて】
Verb Creation 中川社長インタビュー
前編 真に「ベストバランス」な靴作りを目指して
![](https://note.stylestore.jp/wp-content/uploads/2021/05/yaginuma.jpg)
大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。